私が新人の頃から5年近く通ってくれていたK君｡いつも愛がいっぱい感度ﾋﾞﾝﾋﾞﾝのｴﾛﾌﾟﾚｲのあとは､映画の話や音楽､芸能の話や､懐かしい人に会ってﾄﾞｷﾄﾞｷした話や､とにかくいろんな話をしてくれた｡彼との会話はことのほか楽しく､いつも時間が足りないと思う｡前回いらした年末､7ヶ月前のあの日はとある問題作的な映画を見て｢何が正しいのか､分からなくなって悶々としている｣という話や(ﾎﾝﾄ同感よ)､玉袋筋太郎のﾗｼﾞｵを聴いてたらとある曲がかかってﾋﾞｯｸﾘした話や､悲しくて落ち込んだ出来事の話をしていた｡思慮深く博識で､芸術に造詣が深く､あまり出会ったことのないﾀｲﾌﾟの独特な魅力のある大事な大事なお客様だ｡年下だけどとても尊敬している｡

｢ゆうさん､今年も本当にお世話になりました?ゆうさんに出会えて本当に良かった?｣

そんなことを言ってくれてお別れした年末｡

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??そんな彼の再訪をずっと心待ちにしていた｡ようやく7ヶ月ぶりに来店したと思って喜んでお出迎えしたら､いきなりｴﾛ封印で別れの挨拶だった｡え？転勤？結婚？いや､私から卒業すると決めたようだ｡え？なんか怒ってる？何かした？全然思い当たること無いんだけど｡私は訳がわからずﾊﾟﾆｯｸ??彼は｢もういいんだ｣と勝手に納得して理由も言わず､一方的に｢もう決めたから｣と言う｡いやいやいやいや､こっちは全然納得できないわよ｡なんか誤解してない？

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　すごくﾗﾌﾞﾗﾌﾞな彼氏に理由も告げられず突然ﾌﾗれる感覚よ｡(中学生のとき突然電話で酷いことを言われてﾌﾗれたっけ｡30年後にあれは誤解が招いたことだったと判明したけど)理由がわからないから謝るにも謝れないし…何がいけなかったのか､遡ってみてもｻｯﾊﾟﾘ…?でも彼の決意は固そう｡そんな彼､

｢もう来ないけど､酔っ払ったらうっかり来ちゃうかも?｣

と含みを持たせながらちょっと早い誕生日ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを私に渡すと､これまでの5年間を振り返って少し思い出話をした｡

｢俺､ゆうさんにいろんな話をしてきたんだな…｣

としみじみ感慨にふけっていた｡そして

｢元気で｡写ﾒ日記は読むから｣

と言って帰って行った｡

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